私はとても後悔しています。
「『音楽×NFT』ライターさんを探してます」という呼びかけに、安易に手を上げてしまいました。
そして今、こうして記事を書き始めています。
今回紹介するクリエイターユニット「maishinta」は、『音楽NFTクリエイター』という括りで紹介できる方ではないんです。
活動自体がアートとも言える「maishinta」のお2人。
行き着いた最適解が「NFT」というツールだったんですよね。
取材を進めるうちに、私には荷が重すぎるという気持ちが大きくなりました。
それでも記事執筆を引き受けた以上、なんとか形にしようと思います。
うまく表現して伝え切れるかわかりません。
1つはっきり言えることは、今回の取材を通してmaishintaのファンになりました。
それでは、始めます。
maishinataとの出会い
はじめまして、NFTに夢中なブロガー「アヲアヒル」です。
サクッと簡単に自己紹介。
「お前には興味ない!」という方は次のチャプターへ読み飛ばしてください。
私は2021年10月ごろからクリエイター、コレクターの両面からNFTに触れています。
NFTを知ったきっかけは猫森うむこさんのこちらの記事。
読んだ時は「へぇ、よくわからないけど、なんかすごそう。」くらいの印象でした。
その後、イケハヤさんのVoicyに煽られるかたちでNFTを始め、NinjaDAOに参加。
現在も主にNInja DAOで活動していて、メタバースのライブやイベントスタッフをしています。
DTM作曲の特技を活かし、NinjaDAO関連のメタバースBGMほぼ全てを手がけているのがちょっとした自慢。
NFTにのめり込み、既にNFTに200万円近く突っ込んでいると思います。
今まで以上にNFTにコミットするため、本業である公務員を辞め、フリーランスに転身することを決断したNFTバカです。
NFTが大好きで音楽も大好きなブロガー。
WJNCのdiscord内で「音楽×NFTの記事執筆依頼」を見かけて秒で反応していました。
そこで初めてmaishintaのお2人に出会いました。
NFTにコミットしている私から見ても、かなり革新的な活動をしているmaishintaさん。
活動が目まぐるしく、今回紹介するこの記事も、公開時点で古い情報になっている可能性大。
この記事執筆中もどんどん進化して加筆・修正してます。
ブロガー泣かせの爆速クリエイターさん。
maishintaはmaiとshintaの夫婦ユニット
今回紹介するNFTクリエイター「maishinta」は、麻衣(mai)さんと信太(shinta)さんのご夫婦のユニットです。
maishintaのプロフィール画像はお子さんも含めた3人の家族写真。
NFTといえば流行りはイラストのPFP(プロフィール画像)。
NFTにコミットしている人は、Twitterのプロフィール画像を大抵イラストのNFT作品にしています。
maishintaの実写プロフィール画像は異端とも言えますが、かなりインパクトありますよね。
そしてこの画像は彼らのNFTプロジェクト「HOHOEMI NFT」のジャケット画像にもなっているんです。
この素敵な家族写真はいつ撮られたんですか?
2020年5月4日に自宅の砂壁の前で撮影しました。この時は、アルバムのジャケットになるとも思っておらず、ただこの瞬間の三人を撮っておきたいなという気持ちでした。
撮影はご自身で?
はい、自分たちで撮りました。家族だけで、リラックスして撮れました。
取材を進めたら凄い人だったmaishinta
ご夫婦で活動しているmaishinta。
どんな方々なのか、過去の活動等も含めた取材を進めるうちに、お2人共もの凄い経歴ということが判明。
冒頭に書いた「私には荷が重すぎる」という理由の一つがこれです。
順番にお2人を紹介していきますね。
酒本麻衣さん
旧姓は向田(むかいだ)。
「向田麻衣」と聞くとご存知の方もいるのではないでしょうか。
Wikipediaにも掲載されている麻衣さん。
ネパールの女性をサポートするためのNPOを運営したり、人身売買の被害にあった女性の仕事を作ろうとオーガニックコスメブランドを立ち上げたりといった活動実績のある方です。
2015年には情熱大陸に出演もされています。
その活動についてTEDでもスピーチをされているんですよね。
疲れ果てた先に音楽と出会った
そんな彼女が様々な勢力的な活動をする中で、疲れ果ててしまいました。
そしてある実験を始めます。
「それまでネパールの女性へ向けていた関心や愛を、自分自身に100%向けてみて、何が起きるかみてみよう。」
彼女は表現者として歌うことを決めました。
2016年のことです。
運命の遅刻
ボイストレーニングを始めた1週間後に、夫となる信太さんに出会いました。
そこで生まれたのが、運命のプロジェクトとなる「HOHOEMI」。
彼女が寝坊して40分遅刻。
夫となる信太さんは、その間TEDの麻衣さんのスピーチを見てインスピレーションを受け詩を描きました。
それが「HOHOEMI」の歌詞となったんです。
なんともドラマティックですよね。
酒本信太さん
夫の信太さんは3歳の頃からピアノを始めて12歳から作詞作曲をしています。
中学の時点で音楽で生きていくことを決めていた信太さん。
早稲田大学在学中に音楽レーベルを設立。
作曲家として、プロアーティストの「水曜日のカンパネラ」や「TOYOTA」「ヘーベルハウス」と言った有名企業CMへ楽曲提供を行なった実績のある音楽の道のプロです。
クライアントワークからの脱却
信太さんは、音楽の道でとんとん拍子にうまくいっていました。
しかし、いつの間にかシフトしていったクライアントワークに疲れます。
そんな信太さんは、仕事と大学を休学しロンドンへ遊学。
そこで「自分の作品を作ろう。自分で歌おう。」と決意します。
公私を共にするパートナーとの出会い
2016年、麻衣さんと運命の出会いを果たします。
そこから生まれたのが「HOHOEMI」。
公私共にパートナーとなった2人は、カウアイ島、ネパール、パリ、ロンドンを二人で旅する中で次々と曲を制作。
その後、信太さんは作品制作に集中するために、それまでの仕事をやめ大学を退学。
自然豊かな奥武蔵にスタジオを構え、麻衣さんと共に音楽制作に約3年間没頭します。
171曲を完成させ、期間限定のストリーミング配信を行い、収益は全額ネパールへの支援金としました。
その後、娘を授かり結婚。
2019年、麻衣さんと共に音楽レーベルを8th MAY Recordsを設立しています。
信太さん、2016年に出会った時の麻衣さんの第一印象を教えてください。
この人なら自分が120%自分自身でいても大丈夫だなという不思議な感覚がありました。
素敵ですね。麻衣さんは?
(この人なら大丈夫!ネパールも好きそう)と思ったので、「ネパール行きませんか?」と一言目に聞きました。
一言目からネパールへのお誘いすごい!
作品の販売方法を模索する中でNFTに出会った
maishintaのお二人が6年間かけて作り上げたベストアルバム「HOHOEMI」。
ストリーミングミュージックのプラットフォームでは、作り手であるアーティストが自由に値付けできず、曲の長さにも制限があることを知った二人。
販売方法を模索する中で運命的にNFTに出会いました。
NFTを知ったのは1ヶ月前
2016年から音楽制作と育児に専念し、外の情報を遮断してきたmaishintaの二人。
NFTを知ったのは2022年6月。
NFTを知ってからまだ1ヶ月程度(本記事執筆時点)。
NFTに出会った二人は、信じられないスピードで駆け抜けているんですよね。
後ほど紹介しますが、既にコレクションがたくさんあります。
NFTを知ったきっかけは?
私がYouTubeで旅のVlogをみていて、ある方がBAYC※のバーガー屋さんに行っていて、『ここにくるために来ましたー』とおっしゃっていて…。
その時にNFTについて初めて知りました。人を動かしている熱量を感じて、気になって調べました。
なるほど。
Joi ItoさんのYouTubeでたくさん学びを得ました。
本当にワクワクが止まらず、私たちもハイペースに作品をたくさん作るアーティストなので、相性もいいと思いました。
※BAYCとは…
「Bored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)」というNFTコレクションの略称。
独特な猿のイラストで10,000点限定のNFT。アメリカのYuga Labs社が運営。
世界的な著名人も保有していて、非常に高額で取引されています。
型にはまらないNFT
「NFTといえばPFP」とか「こういうNFTが売れる」とか、NFTを触ったことがある方ならわかると思うんですが、ここ最近のNFTはなんとなく「型」というものができてるんですよね。
今回、自由に活動するmaishintaの2人を見ていて、いつも間にか「型」にハマっていた自分に気付きました。
NFTはブロックチェーンを使った新しいツール。
まだ正解はないし、「こうあるべき」というのは時期尚早。
誰も思いついていないような発明レベルのNFTがまだまだ出てくると思います。
maishintaさんは、型にハマらず、人生そのものをブロックチェーンに刻んでいるんですよね。
メインコレクション「HOHOEMI NFT」
NFTを知ってから1ヶ月ほどとは思えないスピードで駆け抜けているmaishitaの2人。
コレクションが既にたくさんあります。
それぞれコンセプトが異なるので順番に説明していきますね。
「HOHOEMI NFT」はmaishintaのメインコレクション。
他は派生したコレクションとなります。
音楽NFTでありクラファンNFTでもあるHOHOEMI NFT
2022年に発表したベストアルバム「HOHOEMI」。
NFT自体はベストアルバム「HOHOEMI」のダイジェスト版となっていて収録曲のさわりの部分が流れます。
購入するとアンロッカブルコンテンツとして「HOHOEMI」に収録された全11曲をダウンロード可能。
信太さんが6年間かけて作ってきた曲。
ボーカルは麻衣さん信太さんの2人。
信太さんのピアノがとても心地よく、2人の歌声も優しく、音楽に包み込まれるような感覚になります。
ジャケットはご本人達の家族写真。
この記事執筆時点では111体のHOHOEMI NFTがmintされています。
手動でmintしていき、最終的には2,222体となる予定。
全てにナンバリングがされます。
完売後に発展途上国の女性や子どもを支援する財団を立ち上げるNFT
HOHOEMI NFT完売後、ネパールのシェルターに暮らす身よりのない女性や子ども達を支援する 「HOHOEMI Foundation」を立ち上げることを公式ウェブサイトで発表しています。
NFTを使ったクリエイション・セールスをサポートする財団。
「HOHOEMI Foundation」は、ネパールの女性と子どもたちへデジタルアート作品制作に必要な機材等の提供、制作手法や使い方等の情報を届けます。
販売のサポートとして、作品や製作者の背景を伝えるメディアの運営も予定。
「発展途上国」と呼ばれる国の女性や子どもたちへ、アートや音楽などの作品をゼロから生み出します。
そして自身で販売してお金を稼ぎ、自由に生きてゆくきっかけを作ることを目的としています。
麻衣さんのこれまでの活動の集大成とも言えます。
また、HOHOEMIのホルダーには、maishintaの次回作がエアードロップされます。
これは、NFTを使ったクラウドファンディングとも言えます。
HOHOEMIを購入することで、発展途上国の支援につながるんですよね。
ロードマップに「HOHOEMI Foundation」立ち上げを掲げた経緯
「HOHOEMI Foundation」は、このNFTプロジェクトの核となる部分なので、ご本人(麻衣さん)に詳しく聞いていきます。
「HOHOEMI Foundation」を立ち上げることを決めた経緯を教えてください。
もともとのロードマップは、HOHOEMI NFTを販売して、私たちがいつか欲しいと思っていたスタインウェイのグランドピアノを購入。
そのピアノで制作した次の作品をコレクターの皆様にエアードロップするというシンプルな内容でした。
それも面白いですね。
はい。それもとても気に入っていたのですが、Ethereum FoundationのYouTubeを見ていて、代表のAYAさんがお話しされていた Ethereumのコンセプト「Infinite Garden」の内容を聞きました。
自分がこれまでやってきたことがすべてここに円を描くように表現できると感じて、計画をアップデートしました。
宮口あやさんですね。
はい。AYAさんは、もともと途上国の女性向けにマイクロファイナンスを行うお仕事をされていた時期があったり、私の興味や活動分野がとても近い方でした。
そしてEthereumのロングタームで物事をみてゆくという姿勢は、とても社会事業的だと感じました。
なるほど。
Ethereumのあり方を私自身に落とし込んだ時に、私にとっての純粋な喜びとしての音楽と、ネパールでの活動がとても自然につながります。
そういったプロジェクトは今はほとんどないけれども、出てゆくことで更なるNFTの可能性を多くの人が感じられるようになると思いました。
麻衣さんのこれまでの活動と音楽が、NFTで繋がったんですね。
NFTは今、皆様も言っているように、まだ使われ方の可能性を発明してゆく段階にあります。
私たちは2022年6月に参入したばかりですが、今までにない新しいあり方をどんどん提示してゆけたらと思い、今回はFoundationを立ち上げるというロードマップを書きました。
NFT始めたばかりなのに、発想が素晴らしいです。
実は、先日AYAさんが登壇されたイベントにも参加して、HOHOEMI Foundationの話をして、「こういうプロジェクトはほとんど知らないから、あなたたちがやってみて!」と声をかけていただきとても嬉しかったです。
AYAさんの存在を知って数日後にこうしてフラットにお話ができたことも、とてもweb3的だな、と感じています。
直接お話もされたんですね。凄い行動力!
HOHOEMI Foundationは、DAOとしてやってゆくことをイメージしています。
新しい取り組みのためチャレンジではありますが、これまででは取りこぼしていた参加したいと言ってくれる皆様の気持ちをやっと掬い上げて一つにできるという感覚を持っていて、とても可能性を感じています。
DAOとしてやっていくんですね。新しい形ですね。
もちろんこれから更なるロードマップのアップデートがあると思います。
ローンチして約1ヶ月半の今、現状のロードマップが私たちのアイデアやこれまで持っていたパッションを結晶化させたものになっています。
今後の展開も楽しみです。
その他のNFTコレクションも面白い
メインコレクション「HOHOEMI NFT」の他にNFTコレクションがたくさんあります。
どれもHOHOEMI NFTから派生したもの。
HOHOEMI PFP
音楽家である信太さんが、NFTを知る以前から創作していたちぎり絵の顔。
「HOHOEMI PFP」。みんな微笑んでます。
各々の顔からインスピレーションを受けたピアノ即興曲がついたNFT。
世界に1つだけのアートピース。
PFPとしてTwitter等のプロフィール画像にすることもできます。
HOHOEMI history
HOHOEMIの制作期間6年間の中で撮影された景色やメイキング映像。
HOHOEMIアルバム収録の曲にのせて、この6年間のmaishintaが見た数々の美しい瞬間をブロックチェーンに刻む「HOHOEMI history」。
メインプロジェクトのHOHOEMIより価格抑えめで、合計2,222体をリリース予定。
HOHOEMI radio
最後に紹介するのが「HOHOEMI radio」。
「HOHOEMI」が2,222体 完売するまでの道のりを声でお届け。
Twitterスペース等で生配信を行いながら収録した音源をNFT化しているんです。
これ、新しすぎますよね。
音声配信者といえばVoicyやstand.fmが主流。
そんな中、OpenSeaで音声配信をブロックチェーンに刻むmaishinta。
これも型にハマらない活動の1つと言えますね。
HOHOEMI life 【NEW】2022.9.8追記
maishintaさんの新たなコレクション「HOHOEMI life」が生まれました。
2022年9月1日〜10月14日までの44日間、毎日1作品を発表&販売していきます。
全て1点ものの音楽日記コレクション。
毎日夜7時にOpenSeaで発売します。
そしてなんと、最終日の10月14日には表参道にてフィジカルイベントを開催!
イベント詳細はまだこれからですが、ホルダー以外の誰でも参加可能なイベントになる予定とのこと。
これは楽しみですね。
HOHOEMI NFTは人生を刻む運命に導かれたプロジェクト
NFTを知って1ヶ月程度とは思えないスピードで駆け抜けているmaishintaの2人。
音声配信や、制作風景をNFTにしたりと型に捉われない自由な活動に感服しました。
お二人それぞれの活動が辿り着いた集大成とも言える場所、最善のツールがNFTだったんですよね。
HOHOEMI NFTは、運命に導かれたプロジェクトと言っても過言ではないです。
今後も精力的に活動していく2人から目が離せません。
HOHOEMI NFTを手に入れたいけど買い方が分からないあなたへ
NFT買ったことはないけれど、maishintaさんの活動を応援したいという方は、是非これを機にNFTを始めてみてください。
NFTは仮想通貨と同じブロックチェーンという技術を使っています。
ノンファンジブルトークン(非代替性トークン)の略で、それぞれの作品が世界に1点だけのもの。
HOHOEMI NFTも全部で2,222枚発行されますが、それぞれナンバリングされていて、全て1点ものです。
購入すると、あなたがHOHOEMI#●●を買ったことがブロックチェーンに刻まれます。
ベストアルバム「HOHOEMI」を手に入れるだけでなく、このプロジェクトの応援者であることが刻まれるんですよね。
クラウドファンディングの新しい形。
もしまだNFT、仮想通貨未経験という方は、まず仮想通貨取引所に登録する必要があります。
初めての仮想通貨取引所は、コインチェック がおすすめです。
その後の手続きやNFTについての詳細は、私が運営する「なんとかなるNFT」のこちらの記事も参考にしていただけると嬉しいです。
という宣伝をしたところで、本日はここまで。
またお会いしましょう!
2022.9.6追記
反響がすごい!
この記事をきっかけにmaishintaさんを知った方が、続々とNFTをお迎えしています!!
これは嬉しい!!!
アヲアヒルさんの記事を読んで知りました!購入させて頂きました🐸 pic.twitter.com/eZ8HwSR69B
— shima.nft🐸 (@nft_shima) August 6, 2022